2024.01.31

私たちはどうすべきか -深夜の事故対応

投稿者【投稿者】ラッキィ

夜勤のジンクス

深夜作業は事故が起こりやすいと言われています。
20代前半の頃、夜間作業のある現場を担当していました。
深夜02:00から作業開始し、朝8:00に交代という流れ。
その日もミーティング後、現場を一回り点検したところで親方のもとへ。

「異常なさそうですね、朝まで頑張りましょうね~」そんな話をしていた時に、急に背後で「落ちた!!!」と大声が響きました。
声の方に向かうと、左肘を押さえ苦痛にゆがむ若い職員Aさんの姿が…。
雨上がりの現場で足を滑らせて落下したのでしょう。高さは4メートルほどありました。
腕が曲がり、おそらく骨折しています。

すぐさま上司に連絡をしましたが、深夜のため繋がらず、逃げ出したくない気持ちを抑えながら、事故対応マニュアルを思い返します。
親方に「現場はお任せします。私は病院に連れていきますので何かあれば連絡ください!」
と伝え、詰所で応急処置し、夜間緊急病院へ急行しました。
後部座席には狼狽したAさんが、「なんで俺、あんなことしちゃったんだ…」「親方に申し訳ない…」「会社クビになるかも…」と涙を流していました。
聞くと、本来二人一組ですべき作業を「一人前と認めてほしい」と一人で作業の 準備をしていたところの事故でした。「慣れ」により手順を破ってしまった事例です。

「大丈夫ですよ。クビになんてなりませんよ」と励まし、落ち着かせながら、車を走らせました。当然、私自身も動揺していましたが、「落ち着いて...冷静に...」と自分に言い聞かせていました。

病院で処置してもらった結果、3ヶ月の休業と診断されました。
私が現場に戻ったのが7:00、事情を聞いて早めに来ていた交代の人間から「よく耐えたな、お疲れさん」と言われた瞬間、緊張の糸が切れ、その場に座り込んでしまったことを今でも憶えています。

「事故がいつ起きてもすぐに動けるような準備をしておけ!」

日頃、上司から口酸っぱく言われていたことです。自分では分かったつもりでいましたし、後輩にも同じことを伝えていましたが、本当の意味で「事故の恐ろしさ」と「準備の大切さ」を意識し出したのは、この事件からでした。

「事故を体験した本人以外にも同じように事故の怖さを知ってもらう」
言うのは簡単ですが、想像力が必要な難しい取組みです。

今でも夜間に作業されている工事現場や工場をみると、頭が下がる思いです。
今夜の作業もどうかご安全に進みますように…。

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