実は、コンクリートにも「クリープ」という現象があります。
コンクリートに荷重が作用した場合
1.荷重の増減に比例してひずみが増減 → 弾性変形
2.一定荷重を長期間かけ続けるとひずみが増大 → 塑性変形(除荷しても戻らない) があり、2の場合をクリープ変形と言います。
特徴としては、材齢が若いほど影響が大きいことがあげられます。
一般的な土木構造物ではあまり心配ありませんが、片持ちのスラブがある場合などで影響が出る場合があります。
また、プレストレスコンクリートでは設計時に考慮しています。
クリープ変形の事例を1つ。
あれは、入社2年目の現場でした。都市部を掘割方式で高速道路を新設する設計で、遮音のために土留擁壁の天端にスラブが5mほど張り出す片持ち構造になっていました。
擁壁は複数スパンありましたので、型枠支保工は所定の強度が出たら、次のスパンへ転用という手順で1スパン置きに施工しました。
コンクリート打設の数か月後にスラブ張り出し先端部分で隣接ブロックとの高さ方向の目違い、基準高の低下が見つかりました。
自重による曲げ応力でクリープ変形が発生し、材齢の違いにより変形量に差が生じてしまった結果でした。
対策としては、1.本支保工の撤去後、簡易支保工に盛替え可能な期間存置する。 2.スラブの先端の両ブロック目地部を治具で仮連結する。などが考えられますが、この教訓をどこに生かせるかな?