2021.06.02

ISOは会社の役に立つ?

投稿者まだ使える杵柄

“ISOは経営の役に立たない”として、認証返納が相次ぎました。

本来、ISOは経営のための指針なのに、“ISOは経営の役に立たない”として、認証返納が相次ぎました。“これではまずい”となり、2015年にISOの有効性向上のための大幅改定が行われました。目玉は、“組織の現状把握”、“リスクと機会”が明記されたことです。

極端に言うと、ISOは方針と目標を達成するための仕組みですが、ISOの目標がISOのための目標になっており、経営上の目標とずれている場合があります。これではISOに取り組むメリットがなくなってしまいます。そこで、2015年版では、「1.会社の現状を知る(問題、リスク) → 2.何を改善するのか → 3.目標として取り組む」という流れになりました。これで、現状を反映した目標になっていれば、しめたものです。

さて、その目標ですが、品質、環境、安全など複数のISOに取り組んでいると、それぞれ別に目標を設定している(無理やり?)場合があります。例えば、“工事成績”を考えた場合、“品質、環境、安全”すべての要素を含んでいます。“事故災害”も同じことが言えると思います。

会社の仕組み構築のためにISOを再取得している会社もあります。

目標が決まったら、肝心なのは、その目標を達成するために、いつ、だれが(責任、権限)、何を(具体策)するのかです。効果的で実効性のある具体策は簡単には見つかりません。策定には、非常なエネルギーと本気度が必要です。次に、“どのようにやるか“では、6.2教育、7.4コミュニケーション、7.5手順書も関係してきます。

建設業では、入札時の加点のためにISOを取得している企業が多いのが現状ですが、会社の仕組み構築のためにISOを再取得している会社もあります。安くない費用をかけてISOを維持しているのであれば、この機会に見直してみてはどうでしょうか?

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